良い油と悪い油
脂肪の摂りすぎは太るもとになり、消化にも時間がかかり酵素を消化します。
消化しきれなかった分は腸内で腐敗し、腸内環境を悪化させて免疫力の低下にもつながります。
でも、悪いばかりではありません。
細胞膜の70%、脳の60%は脂肪ですから、脂肪がないと細胞は存在できず脳も機能しません。
体温を維持し、ホルモンの原料になり、ビタミンの体内での搬送を吸収を助けたりもします。
だからオイルカットをあまり気にしすぎるのもよくありません。
大切なのは、その油の質が健康に大きく影響するのです。
体に良くない油は、トランス型脂肪酸、酸化した油脂、過剰なリノール酸油です。
トランス型脂肪酸はマーガリンやショートニングの原料です。
体の細胞膜の中に入り込み、細胞膜や細胞の働きを狂わせ、ビタミンなどの栄養物質を食い荒らす悪玉脂肪です。
油脂は長時間空気と接触したり、高温で加熱されたりすると酸化します。
酸化した油を摂ると、血中にLDLコレステロールが酸化した過酸化脂質が発生し、動脈硬化の原因になります。
揚げたり炒めたりして、時間が経った料理は酸化していますし、ポテトチップスなど油で揚げたスナック菓子も酸化しています。
植物性の油はヘルシーといわれていましたが、植物性油に多く含まれるリノール酸の過剰摂取は、アレルギーやガン、心臓、免疫などにかかわる病気に影響を及ぼすことが、明らかになっています。
マーガリンやドレッシング、マヨネーズやスナック菓子の原料になっているほか、大豆や小麦などの穀物にも多く含まれていて、気付かないうちに大量のリノール酸を摂っています。
体に良い油は、α-リノレン酸油、EPA/DHA、オレイン酸油です。
多く含まれる食品は、亜麻仁油、エゴマ油、シソ油、天然の青魚、アーモンド、クルミ、ピスタチアなどのナッツ類です。
過剰なリノール酸油が体に良くないのですが、その対策として、リノール酸油と同量またはそれ以上のα-リノレン酸油を摂ればよいのです。
ただし、体に良い油でも加熱するとすぐに酸化してしまうので、注意しましょう。
加熱しても酸化しにくいのは、質の良い菜種油やグレープシード油、玄米油、新ベニバナ油、ゴマ油などです。